EU庇護制度改革(GEAS)とは? ドイツの黒赤連立が合意した“妥協案”をわかりやすく解説/第899号

目次
コメントなど
移民排除を協力に推し進めたいCDU/CSUと、それを積極的には望まないSPDとの意見の違いがあって、結論がでなかったのですね。
● 連立(CDU/CSU〈Union〉+SPD)の妥協内容
妥協案は
- 制限強化(抑制的要素) と
- 労働市場アクセスの改善(緩和的要素)
の両面を含む。
● 制限強化の主な内容
- “Sekundärmigrationszentren”(二次移動センター)を新設
→ ドイツに来たものの、EU法上は他の加盟国で手続きすべきケースの人々を収容し、送還(Rücküberstellung)まで留め置く仕組み。
→ 2023年のドイツの新規亡命申請のうち「約半数」が他国で手続きすべきだったとCDUのAlexander Thromが説明。 - そのグループへの社会給付(Sozialleistungen)を最小限に削減。
- 新たに“Asylverfahrenshaft”(亡命手続き拘禁)を導入
→ 逃亡のおそれがある場合などに拘束が可能になる。
● 緩和・支援強化の主な内容
- 労働市場アクセスの迅速化
→ 労働許可の待機期間を6か月 → 3か月に短縮(「Spiegel」報道)。 - 難民の子どもの医療アクセスを改善するとされる。
● SPD内部の反発
SPD移民・多様性作業部会の全国代表 Aziz Bozkurt は、
- EU改革は各国の解釈に幅があるのに
- ドイツ政府は 「最も厳格な方向で実装」しようとしている と批判。
Amnesty International は
→ 政府が欧州法上の義務がないにもかかわらず家族や子どもの拘禁を可能にしようとしていると非難。
【補足】
● EUの“担当国ルール”「ダブリン規則」(Dublin III Regulation)
主な判定基準:
- 家族がいる国
配偶者・未成年の子ども等が合法的に滞在している国がある場合
➡ その国が担当 - 未成年の場合、同行していない親族の所在国
➡ 子どもの安全を優先した特別規定 - 最初にEUに入った国(外部国境入国国)
➡ 例:トルコ → ギリシャ → イタリア → ドイツ
→ ギリシャが担当(最初に入国した国) - 最初に指紋(Eurodac)を登録した国
EUは「Eurodac」という指紋データベースを共有
➡ 最初に指紋が登録された国=担当国 - 最初に庇護申請をした国
➡ 既に申請済みなら、その国が最後まで審査を行う
アフリカの難民がボートで大量にイタリアに入ろうとしていた時、EUの外側の境界にある国には不利益だと話題になった時期がありました。
それはダブリン規則の「最初に入った国が担当」というルールの部分です。
アフリカ移民がボートで地中海を渡ってくると、イタリア、ギリシャ、スペインは外部国境となるため、大量にやってくる移民をすべて面倒を見る義務が発生するわけです。
EUは何度も「加盟国間で人を配分しよう(Relocation)」と提案したけど、ポーランド、ハンガリーなどが強く拒否。
結論がでないババ抜きのような話題になっていた。(今も・・・)
コメントは、ここから↓↓↓:
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前回出題分
移民政策の流れは・・・
Schwarz-roter Kompromiss
Koalition einigt sich auf Details europäischer Asylpolitik
Die Mitgliedstaaten müssen die EU-Asylreform Mitte des Jahres anwenden. Lange hat die schwarz-rote Koalition um die Umsetzung in deutsches Recht gerungen. Nun gibt es einen Kompromiss.
handelsblatt.com
http://enchan.net/xl/YKwnEb
わたしの訳
黒赤連立の妥協
連立政権、欧州の亡命政策詳細で合意
EU加盟国は、EU亡命制度改革を今年半ばまでに適用しなければならない。ずっと黒赤連立政権は、ドイツ法の中でどう対応するのかについて議論を重ねてきた。今回、妥協が成立した。
*ワンポイント
特になし。
訳例
良いですね。
---引用---
黒・赤の妥協
連立政権 ヨーロッパ移民政策の細部に合意
EUメンバー国は今年半ばに改正EU移民政策を導入しなければならない。黒・赤連立政権はドイツの法律への適用のためずっと調整を進めてきた。いま調整が整った。
---終わり---
今日の記事
財産税を復活させろと提案している
Nach Vorschlag der Linkspartei
Union lehnt Wiedereinführung der Vermögenssteuer weiter ab
Die Union lehnt die Vorschläge der Linkspartei zur Wiedereinführung einer Vermögenssteuer ab. Der finanzpolitische Sprecher der Bundestagsfraktion von CDU und CSU, Güntzler, sagte im Deutschlandfunk, ein großer Teil der Vermögen sei nicht frei verfügbar, sondern in Unternehmen gebunden.
deutschlandfunk.de
http://enchan.net/xl/T3Y8Vk
訳を送ってください。
(公開を望まない時は希望しないにチェック)
和訳投稿:
https://ssl.form-mailer.jp/fms/8408fcc494664
投稿期限:2026年2月13日(金)
選挙も終わり、どうなってるかなー。
あとがき
衆議院議員選挙がありますね。
節分も過ぎ、立春も過ぎ、何なら中華圏の春節もまもなく。
春に着実に近づいている。
雨もそうですが、雪も集中的に降るようになっていますね。
ニュースで雪下ろしをしている人たちは多くが年配の人たち。
人は一人では生きられない。
冬季オリンピックが始まったけど、みんなが一緒に日本の選手を応援する。
熱狂するのは良いことだ。
これすなわち一人じゃないことを実感するからじゃないだろうか?
日常生活も、人が互いにリスペクトすることを前提に、良いことはみんなで喜び、悪いことはみんなでカバーする。
それを応援し、実現する政治家が多く登場してほしいですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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HARIBO先生
生きたドイツ語に触れながら、ドイツの様子が分かるように自分の経験も含めた時事的情報を発信します。
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