ベルリン連立交渉――第一党の左派党、政権への条件は/第934号

目次
ベルリンの選挙で第一党となった左派党。政権への道は、まだ調整が必要です。
左派党とCDU、どちらが率いる連立でも、SPDと緑の党が鍵を握っています。
左派党・緑の党・SPDの初回の事前協議は、共通の方針をまとめられずに終わりました。その後、三党は合意に達し、10月8日に予備協議へ進んでいます。
ただし、左派党内の反発や政策の違いは残ります。今回は二つの連立案を整理し、協議の時間的な条件とAfDの立場も踏まえて、政権づくりの行方を考えます。
前回出題分
最近の選挙は連立前提だから、選挙後は数の勝負
Zu möglicher Sondierung in Berlin
Erstes Vorgespräch von Rot-Grün-Rot ergebnislos
Das erste Dreiergespräch vor möglichen Sondierungen zwischen Linken, Grünen und SPD in Berlin ist zu Ende. Es habe “konstruktiven” Austausch gegeben - aber eine gemeinsame Linie zu Antisemitismus und Organisierter Kriminalität wohl noch nicht.
tagesschau.de
http://enchan.net/xl/WLcx0J
わたしの訳
ベルリンでの連立に向けた予備協議の可能性
赤・緑・赤の初回の事前協議、結論出ず
ベルリンで連立に向けた予備協議に入る可能性をめぐり、左派党、緑の党、SPDによる初の三者協議が終了した。「建設的な」意見交換があったという。ただ、反ユダヤ主義と組織犯罪については、まだ共通の方針を見いだせていないようだ。
コメントなど
連立に向けた「予備協議」の前に、さらに「事前協議」がある。少しややこしいですが、今回の三党には、予備協議へ進む前に確認しておくべき問題がありました。
記事によると、反ユダヤ主義、人種差別、組織犯罪への対応について、三党で共通の方針を取り決めることが、予備協議を始める条件になっています。
背景には、左派党をめぐる問題があります。ノイケルン地区の左派党の選挙祝賀会に、犯罪に関与した構成員を含む一族の有力者や、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)に近いとされる活動家が出席していたことなどが、連立相手となり得る緑の党やSPDにも懸念を生んでいました。一方、左派党のベルリンの指導部は、ユダヤ人の暮らしと安全を守る立場だと繰り返し説明しています。
最初の三者協議は約5時間に及びました。各党は「建設的な」意見交換だったとしていますが、この時点では共通の方針をまとめるには至らず、週末に再び話し合う予定となりました。
つまり、今回はまだ、連立政権の具体的な政策を詰める前の段階です。共同で政権を担う相手として、こうした問題への姿勢を共有できるか。その確認が、協議の入口になっているわけです。
参照記事:tagesschauの記事(2026年10月2日更新)
第一党でも、単独では政権をつくれない
今回のベルリン州議会選挙の暫定得票率は、次のとおりです。
| 政党 | 得票率 | 順位 |
|---|---|---|
| 左派党 | 25.7% | 1 |
| CDU | 18.8% | 2 |
| AfD | 16.3% | 3 |
| 緑の党 | 14.3% | 4 |
| SPD | 12.1% | 5 |
左派党は大きく支持を伸ばしましたが、単独では過半数に届きません。政権を率いるには、緑の党とSPDの協力が必要です。両党にはCDUと組む選択肢もあり、第一党だからといって、左派党が自分たちの考えをそのまま通せるわけではありません。
参照記事:選挙結果と連立の選択肢
議席の上では、次の二つが過半数を確保できる組み合わせです。
| 連立案 | 政権を率いる党 | 主な課題 |
|---|---|---|
| 左派党+緑の党+SPD | 左派党 | 反ユダヤ主義への対応をめぐる左派党内の反発や、住宅政策でのSPDとの違い |
| CDU+SPD+緑の党 | CDU | 左派党との連立を志向する緑の党を取り込めるか、CDUとの政策の違いを調整できるか |
つまり、SPDと緑の党は、どちらの連立にも必要です。左派党が第一党でも、この二党の協力を得られなければ政権を率いることはできません。一方、第二党のCDUにも、両党と合意できれば政権を率いる可能性があります。
参照記事:連立の選択肢
ただし、左派党との協議が難航したからといって、CDUとの連立が簡単にまとまるわけでもありません。緑の党は左派党・SPDとの連立を志向しており、CDUとは政策上の隔たりもあります。
このため、CDUとの連立は左派党に妥協を促す材料にはなっても、すぐに切り替えられる案とは限らないでしょう。10月8日に三党が予備協議へ進んだ段階では、まず左派党・緑の党・SPDによる連立が成立するかが焦点です。
参照記事:予備協議への移行
合意はできても、党内をまとめられるか
前回の課題記事からは動きがあり、三党は10月8日、反ユダヤ主義と組織犯罪への対応について合意し、予備協議へ進みました。
ただし、左派党内の「パレスチナ連帯」作業部会からは、この合意に反発が出ています。交渉担当者が合意することと、党内がそれを受け入れることは別問題です。連立交渉への移行には左派党の党大会の承認も必要で、指導部がどこまで党内をまとめられるかが問われます。
参照記事:10月8日の合意と党内の反応
政策面でも、三党の立場は一様ではありません。大手住宅企業の社会化、つまり住宅を公的な管理へ移す構想については、左派党と緑の党が支持する一方、SPDは選挙前に反対していました。争点ごとに一致する組み合わせが違うため、「左派党対ほかの二党」という構図だけでは捉えきれません。
参照記事:住宅政策をめぐる違い
合意期限はあるのか
ここは、二つを分けて考える必要があります。
- 新議会の初会合:州憲法で選挙後6週間以内と定められています。
- 連立合意・州首相の選出:法定期限はありません。後継者の就任までは、現政権が職務を続けます。
参照:ベルリン州憲法第54条、第56条
したがって、「期限が来れば妥協するしかない」とは言えません。時間をかけて調整する余地はあります。
その一方で、協議が長引けば、住宅や財政などの課題に新政権としてどう取り組むかを示せない期間も延びます。連立の見通しを判断するには、合意の速さだけでなく、党内の承認と実行可能な政策が伴うかを見る必要があるでしょう。
AfDは政権の外からどう影響するか
AfDは16.3%で第三党となり、前回の9.1%から支持を伸ばしました。ただ、他の議会内政党はAfDとの連立を望んでおらず、現時点では政権参加への道は狭い状況です。
参照記事:AfDの結果と各党の姿勢
ここからは見通しですが、AfDの影響は連立に加わるかどうかだけでは測れません。三党の協議が党内対立で停滞したり、政権発足後も成果を示せなかったりすれば、AfDには既存政党の統治能力を批判する材料になります。
逆に、三党が違いを調整し、暮らしに関わる成果を出せれば、その批判に対抗できます。今回の連立づくりでは、多数を集めることに加え、その多数で何を実現できるかが、その後のAfDの影響力にも関わってくるでしょう。
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訳例
問題ありません。
---引用---
ベルリンで可能性探る
赤-緑―赤連立の最初の事前協議は成果なし
左翼党、緑の党、SPDの連立の可能性を探る初めての3者間の事前協議が終わった。建設的な意見交換はあったものの、反ユダヤ主義および組織犯罪に対する共通の方向には、まだ至っていない。
---終わり---
今日の記事
メルツ首相は、どんな評価を歴史に残すのか・・・
Regierung
Wie der Kanzler Deutschland noch ökonomisch dienen kann
Seine Kanzlerschaft dürfte als großes Missverständnis in die Geschichtsbücher eingehen. Zu verlieren hat Friedrich Merz kaum noch etwas – aber es gäbe noch etwas zu gewinnen.
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投稿期限:2026年10月16日(金)
柿の収穫が間近です。
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