ドイツ国鉄再建-顧客満足度優先?-/第531号

ドイツ時事ジャーナル

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ドイツ国鉄は、慢性的に問題を抱えてきました。
それがもうどうにもならないほどの状況になった、
という声が大きくなっているということです。

TEDさんから問い合わせをいただきました。

ドイツ鉄道の現状を記事で初めて知りました。
内容的にはかなり難しく、きちんと理解するには
至りませんでした。課題については、
想像力を働かせたまでのことです。
興味がありますので解説方よろしくお願いします。

さて、どこまでできるかわかりませんが、
分かる範囲で説明します。

少々長くなったので、興味がなければ、
この部分はとばしてください。

本文に書かれている情報を引用しながらの
説明になります。

1994年に、西ドイツのDeutsche Bahnと
東ドイツのReichsbahnを統一するために、
国営から株式会社組織にした。

当時の交通大臣マティアス・ヴィスマンは、
クルマ中心の社会から鉄道への転換を謳って、

快適で、時間通りで、本数が頻繁にある、
そして、特に田舎に住んでいる人の、
生活品質が上がる。

それを目指したものの、
現実的には、

確かに、乗客利用距離は13億キロと、
1994年比で40%増えた。

一方で、路線は5400キロ少なくなった。
これは、全体の16%に相当する。
しかも、減ったのは主に田舎の路線。

最近(2016年)では、
一気に問題解決のために国は24億ユーロの
予算を計上。

実際に解決できた問題はあまりなく、
追加予算という意見もあったが、
国民の税金を使うことに対する批判があった。

うまく行っているとは言い難いですね。

時間どおりにこない、
というのはよく聞かれていたことです。

日本は、ドイツに比べると、
地形的に問題が少ないのかと思います。

ドイツは、鉄道網が縦横無尽にあり、
また、ヨーロッパは地続きですから、
外国からの車両も入ってきます。

本線、支線など含め、
網の目のようにつながっているのですから、
何かが起きたときに与える影響は、
かなり多いことが予想されます。

実際にわたしが利用した時も、
乗り継ぎがあると、次の列車に間に合うかどうか
とても不安でした。

しかも、ホームに行ってみると、
遅れている同じ方面の列車が停まっているが、
果たして、それに飛び乗っても、
うまく乗り継ぎできるかどうか、瞬時には判断できない。

つまり、遅れだけからでも「何か」が起きる
可能性が非常に高い。

日本の場合は、
基本的に直線的な幹線があり、
魚の骨のように支線があるので、
コントロールはしやすいのではないでしょうか?

株式会社組織にはしたものの、
国が所有する割合が多いので、
決定は政治的になりがちで、

果たして乗客のための改革がどこまで進んだのか・・・。

本文の内容に戻ると、

管理部門の人数を2倍にして、
その一方で列車の保全要員や車掌、運転手などは、
慢性的に人手不足。

現在のトップの猶予は、今年の夏まで。
それまでに数字を改善しろと・・・。

現実的に、そんな短時間で改善できる状況ではない。

英国に本社を置く子会社Arriva売却が
選択肢の一つとして挙げられているようです。
ほぼ唯一利益を出している会社。

それに対しても、
Arrivaが売却されたら、Arrivaが
強力な競争相手になる。

つまり、残った弱体のドイツ国鉄は
客をますます失うという意見がある。

細かい事情までは分かりませんが、
短期的に数字をよくするのであれば、
Arrivaの売却以外に手はないように見えます。

ただ、顧客の満足を得るためには、
時間のかかる作業を地道に積み上げるよりない。

両方を満たすには、
Arrivaの売却という、骨まで響く対応をしながら、
頭でっかちの組織を大胆に変える、
指導力、判断力のあるトップを据える、
ということでしょう。

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コメントは、ここから↓↓↓:
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【前回出題分】
Deutsche Bahn: Die letzte Chance

Empörte Kunden, defekte Züge:
Die Deutsche Bahn steht vor enormen
Problemen. Nun soll ein Milliardenverkauf
helfen. Doch der brisante Plan könnte
nach hinten losgehen.

SueddeutscheZeitung
http://enchan.net/xl/UbGqHk

【わたしの訳】
ドイツ国鉄:最後のチャンス

憤慨する顧客、故障する列車:
ドイツ国鉄は巨大な問題を抱えている。
何十億の売却が救いになるだろう。
しかし、その起死回生の計画は、
裏目に出るかもしれない。

【訳例】
さあ、訳を見てみましょう。

まずまずですが、補足します。

売却はArrivaという優良子会社のことで、
ただ、それがいいことばかりではない、
ということが最後に言われている部分です。

---引用---
ドイツ鉄道:ラストチャンス

いらいらする客、壊れた車両:
ドイツ鉄道は、大きな問題に直面している。
数十億の売りが助けになる。しかし、
素晴らしい計画は後退した。
---終わり---

---引用---
ドイツ鉄道:最後のチャンス

怒り狂った顧客、故障した車両 :
ドイツ鉄道の抱える問題は深刻だ。
乗車チケットを大量に売れば問題ないと
いうことだがその危うい計画は大失敗に
終わる可能性がある。
---終わり---

---引用---
ドイツ鉄道 最後のチャンス

腹を立てる利用客、欠陥車輌。ドイツ鉄道は
きわめて重大な問題に直面する。
いま十億単位の売却話は有効なはずである。
だが、議論のある計画が予想通りに進むとは
限らない。
---終わり---

さあ、では次です。

【今日の記事】
Fragwürdige Sammelaktion:
Neuer Spendenärger für die AfD

Der “Flügel” der AfD könnte erneut
für Wirbel sorgen. Nach einem
Medienbericht arbeite die Gruppe
um Björn Höcke an den Gremien der
Mutterpartei vorbei, indem sie Spenden
von einem externen Verein beziehe.

Spiegel Online
http://aizuppo.com/a/5p56ih79

訳を送ってください。
(公開してほしくないときは、希望しないにチェック)

和訳投稿:
  https://ssl.form-mailer.jp/fms/8408fcc494664 

投稿期限:2019年1月25日(金)

【あとがき】
西暦の新年と春節前の年末という状況ですが、
全体的には、どっちでもいいような雰囲気です。

ただ、春節となると、
帰省して、家族に会うことが、
常識として定着しているので、

西暦の新年がそれにとって代わる日が来る
ような気はしませんね。

ただ、
紅包(ホンバオ)と呼ばれるお小遣い袋を
たのしみにする子供たちに渡すお金や、
持って帰る土産も高騰化していて、

それが経済的負担になっている感があります。

そういうことが顕在化してくると、
昔ながらの付き合い方が変わってくる
可能性はあるかと思います。

何せ「面子」の国ですから、
そのメンタリティが変わるのは
簡単ではないでしょうから。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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